感電しました
十数年前になりますが、うちでは「サフォーク・レッド」というぶどうの品種を栽培していた事があります。
これは赤系の種無し品種で、皮ごと食べられるぶどうでした。
それはとても栽培が難しく、良品質のものができにくかったですが、とても魅力的なぶどうでした。
最近は皮ごと食べられる、赤系ぶどうの消費が伸びてきているので、
今その品種があれば、かなり人気品種になっていたはずです。
しかし、今はありません。なぜかというと、
落雷にあって、木がダメになってしまったんです。
次の年から3年くらい「えー?!サフォークレッドないの?」
と、お客さんから言われ続けました。
そう、落雷です。夏から秋にかけて、このあたりではやけに落雷が多いかもしれません。
しかも、ごく近いところに落ちている気がします。
実際、うちのぶどう園にも落ちた事がありますから。
数年前、それは激しい雷雨に見舞われた事がありました。
どしゃ降り、とかバケツをひっくりかえしたような、とかいう表現では物足りないような大雨と、
身の危険を感じるほどの激しい稲光と轟音・・・
その時はぶどうの販売時期でしたが、一家で販売所に避難し、唖然としていました。
直売所の前の道を通る車もホントにまばら。
通ったとしても、あまりの雨の勢いに最徐行を余儀なくされています。
まるで洗車機の中を走行しているようなもんですな。
こんなに雨降っていたら、ぶどう買いに来る根性ある人はいないでしょうね。
ぶどう買いに行くのに根性が要るのも変なんですが。
次の瞬間、目の前でフラッシュを焚かれたような白い閃光と、
ドン!という物凄い音がしました。
そして髪の毛がバッと後ろにもっていかれました。
まるで爆風のような、落雷によって起きた風です。
「うわっ!近い!」どうやらすぐ裏のゴルフ場あたりに落ちたようです。
ほんの7,80メートル位しか離れてません。
そして、一瞬間があって、紫色の火花が私の目の前を通過しました。
その火花は園主に向かって一直線・・・
「イテっ!!」
・・・・か、園主が、感電しました・・・・。
園主以外、その場にいた全員が薄情にも笑ってましたが、
当の本人はとってもブルーになってました。
・・・園主は直撃ではないですが、雷にあたった経験をもっています。
しかし、今も元気です。
さすが、お百姓さん歴50年。頑丈にできてます。